2013
07.15

形見とは

Category: 腕時計
死んだ人や別れた人を思い出すよりどころとなるもの。残した品や遺品だそうだ。
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じいちゃんが亡くなってからふた月ほど経つ。

遺産相続やらゆかりの品の整理やらで

私にもじいちゃんの使っていた品がいただける事となった。



じいちゃんが施設に入る前後位から付けていた腕時計。

セイコーのフラッグシップモデルのグランドセイコーだ。

買った当時からじっちゃんが「これは高いんだぞー、セイコーの良いヤツだ」

と自慢げにそれを腕にはめていたのを覚えている。


私はセイコー時計には比較的詳しいので

その時計が確かに良い物である事をしっかりと理解し

それなりにすげぇなと思ってみていた。


昔からじいちゃんは金色が大好きで

時計は大体金色の物をしていた。

グランドセイコーも時計のケースから針から文字盤からダイヤルまですべて金色のものをしていた。

本体ケースに関しては18金であった。

ガラスも、高級使用なのでサファイヤガラスで無反射コーティングされたものだ。

機械式のくせに、グランドセイコーともなると

その精度は折り紙つきで良い。


前から、じいちゃんはセイコーびいきな人で

やっぱりメイドインジャパンが好きだったみたい。

私もおんなじ理由でセイコー大好き。

あんまりじいちゃんにはそういう事はなさなかったけど。


じいちゃんが施設にはいってから何年かした時に

じいちゃんの眼鏡と時計が無くなる事件が起きた。

じいちゃんがみにつけているものは大体いいものが多くて

眼鏡も、鼈甲の高級品だった。

だから、誰かに目をつけられて取られてしまったのではと

思い、その時は家族で大騒ぎしてさがした。

施設の人もさすがにまずいとおもったのか一緒に探してくれて

時計だけはみつかったのだが

眼鏡は結局見つからずじまいだった。





じいちゃんが亡くなったという知らせは早朝5時くらいにやってきた。

その時はあまりに急で全然実感がなく

両親だけは準備に大忙しでひたすらばたばたしていた。

そして、とりあえず葬儀場と通夜の日にちが決まってから

じっちゃんの遺体が家に一旦運ばれることとなり

私も運ぶのを兄と親父とともにてつだった。


まだそのだんかいで悲しいとか寂しいとか

そういった気持ちがわいていなかったのだが

いざマンションの下で、白い布に包まれたじっちゃんを見た時

「おかえりなさい」という気持ちがわいたかと思ったら

せきをきったように涙があふれてきた。

じっちゃんを運んでる最中涙が止まらず

はなみずたらしてないていた。



私はどちらかというとそんなにじっちゃん子ではなかった。

ただ、じっちゃんからは好かれてたと思う。(なぜだか)

ただ、兄の方は小さい頃からじっちゃん子でだいぶじっちゃんの事を

尊敬もしてたみたいだった。

その兄が葬儀中も葬儀が終わってからも一粒の涙も見せていなかったのは

意外だった。

それだけショックですぐには反応できなかったということなのだろうか?と

おもったが。

じっちゃんと仲が悪かった親父ですら葬儀の終わりで皆に挨拶するときに

じっちゃんのはなしになり思わず涙してしまったというのに。




だから、じいちゃんゆかりの品とかの整理でも

結構大切そうなものは兄の方に譲られることになると思っていたし

それで当然だと私もおもっていた。

だから、このグランドセイコーが私の所に回って来たときは少しとまどった。

「いいの?」っていう感じ。


私が時計が好きでいろいろ買っているのはバレてたみたいで

そういうのもあったみたいだけど。

なんというかちょっと申し訳ない気分だ。


箱や取扱説明書など全て完璧にそろっていた。

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別に調べる気はなかったかけど、買った当時の値札まででてきた。

見てびっくり…、さすがグランドセイコーの18金モデル…。

ロレックスが買えるほどのねだんであった…。

そもそもグランドセイコーは歳に見合ってないので

こんな事がなければ私の手元にはあるはずのないものである。

ある種オーパーツ的な違和感すら感じる…。



ただ、買ってもうすでに10数年経っており

機械式という事もあるので、さすがに油切れしており

オーバーホールせねばつかえぬ状況。

ただ、試しに振ってみた所少し動いたので故障ではなさそうだった。

取りあえずキレイにするかと

ベルトを外して、汚れを落とす事に。

どうしたらこんなところに汚れがたまるの?というようなところに

結構汚れがたまっており

結構面倒かったが、そこはひごろのジャンク漁りで鍛えているので

大体の汚れは落とせた。

ケースの打ち傷はグランドセイコーだし18金だしという事もあり

うかつに手を出さん方がいいなという事で

つや出しの為にすこしだけピカールで磨くにとどめた。


それでもはじめのときと比べたらみちがえるようにキレイになった。

ベルトは汗と経年劣化でばりばりになっていたから

新しいのをヨドバシでかって変えた。

最初黒だったんだけど、金ぴかに黒はちょっとキツイ感じがしたので

茶色をえらんだのだか、やはり黒にしておけば良かったと後悔…。

こんなぴっかぴかの金色の時計もったことないから

ベルト選びも大変だ。


ただオーバーホールするにしてもこのクラスの時計をやってもらうとなると

最低でも5万くらいかかるんだよね…。

しかたないんだけどね…。

秋冬くらいにはなんとかオーバーホールを済ませたいと思ったりしている。

今の時期に仕上がっても

半袖でこの時計を丸出しで歩くのはちょっといろんな意味で危険な感じがするし…。



なんとなく眠れなくなって、思い出した様に書いてしまった。

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普段から中古の腕時計を何気なくネットなんかで買ったりしてるけど

そういう腕時計にも誰にも知られないエピソードのひとつひとつが眠っているのかもしれない。

なんというか今回いろいろ考えさせられた。

じっちゃんの形見、大切にして行きたいと思う。

なんだかいつもと違うテイストになってしまったが

グランドセイコーという特別な時計でこういう記事が書けるのも良かったかなと思ったりした。

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